『フラッシュ:邪悪なる閃光』 前編 / 今作に至るまでの経緯について



※今回の記事は前後編になっており、タイトルにある作品を本格的に紹介するのは後編になりますので予めご了承ください。


人生において、やり直したいと思うことは多々あります。

何故あの時ああしてしまったのか、あそこでああしていればこうなることはなかったのに。時間を巻き戻し、未来を変えることができたなら。誰だってそう思ったことがあるはずです。

しかし時間とは常に一方向に進むもの。どんなにつらい過去でも、我々にはただそれを受け入れて前に進んでいくしかありません。たとえその道のりがどんなに辛かろうと、前に進むしかないのです。

でも、もし時間を巻き戻せる力を手に入れたとしたら…

今回ご紹介する作品『フラッシュ:邪悪なる閃光』はそんな能力を手に入れた男「リバースフラッシュ」をめぐる物語です。彼には辛い過去があり、何としてでもそれを食い止めようとします。





今作を担当したのはフランシス・マナプルさん。
彼はライターだけでなくアーティストとしても活動しており、フラッシュの他にも様々な作品を手掛けてきました。最近では少し前までバットマン&スーパーマン&ワンダーウーマンのDCビッグスリーを題材にした「TRINITY」を担当していました。






今作はそんな彼がNEW52!時代に手掛けたフラッシュ誌でのシリーズ最後の作品となっています。

彼はこのフラッシュ誌を通して、自分と向き合い、過去を受け入れて前へ進み続けることの大切を私達に教えてくれました。

しかし運命はなんと残酷なのでしょうか。昨年11月下旬、行方不明になっていたマナプルさんの義妹であるテス・リッチーさんがトロントで殺害されているのが発見されました。犯人は現在も見つかっておらず、マナプルさん自身も情報提供を呼び掛けているそうです。

マナプルさん、そしてご遺族の方々、この場を借りてお悔やみ申し上げます。

今回この紹介記事を書くにあたり、あくまで作品のことだけを取り上げるようにしようと思っていましたが、この作品を読んだ後、どうしてもこのことに触れておくべきだと思いこうして記載させて頂くことにしました。
何故なら、先程も書いたように、この作品では「過去を変えようとするのではなく、過去を受け入れて前に進むこと」の大切さが語られているからです。

作品の中で、辛い過去を変えようとするリバースフラッシュにフラッシュはこう言っています


「子供の頃、君とアイリスは父親にひどい目に遭わされて、苦労したんだろう。でも、僕たちは過去の困難と正面から向き合わなくちゃいけない…そうやって人は強くなる。人生で大切なことは、前に進むことだ。過去にとらわれちゃいけない」

今マナプルさんはご家族を失い、辛い状況にあると思います。
ですが僕はそんな今だからこそマナプルさんにフラッシュのこのメッセージを伝えたいと思うのです。

僕のような未熟な人間が口を挟む筋合いは無いとは思います。ですが、マナプルさんはこれまで沢山の素晴らしい作品を僕達に届けてくれました。僕達皆がマナプルさんのことを思っています。
だからこそ、自分勝手なお願いかもしれませんが、これからも前を向いて素晴らしい作品を作り続けて欲しいと心から願っています。

今の彼に僕のようなちっぽけな人間ができることはほとんどありません。
ですが今、僕は公認ブロガーであり、重要な任務があります。この作品のことを多くの人に知ってもらい、興味を持って貰うことです。

今回のこの記事を通して彼の作品を知ってもらい、マナプルさんを多くの人に認知してもらうこと、それがマナプルさんとそのご家族のために僕ができる唯一のことです。

この記事を通して、少しでも彼等の力になれればと思っております。


それでは改めまして今作の紹介をさせて頂きます。



1.  フラッシュポイントについて


今作『フラッシュ:邪悪なる閃光』は「NEW 52 !」時代、すなわち2011年から2016年までの5年間に渡り刊行されたフラッシュ誌のうち、シリーズの中間となる#20~#25までのストーリーをまとめた単行本第4巻になります。

今作の紹介に入る前に、まずこのシリーズについて少しご紹介したいと思います。




しかし
このシリーズについて記述する前に、『フラッシュポイント』のことについて触れ触れておかなければなりません。今回のシリーズを含めたNEW 52 !シリーズはこのフラッシュポイントによって刊行が開始されたものであり、そもそもこのNEW 52 !世界が誕生した要因の1つはこの作品内でのフラッシュの行動にあるからです。








物語は自身の母親がリバースフラッシュによって殺害されたと知ったフラッシュ(バリー・アレン)が過去に戻り、リバースフラッシュによる犯行を食い止めようとしたところから始まります。



※このリバースフラッシュはこの後紹介するリバースフラッシュとは別人であり、その正体も異なります。プレフラッシュポイント世界にはリバースフラッシュに似たキャラクター(ズーム等)が何人か存在していましたが、このリバースフラッシュは25世紀出身の未来人であるイオバード・ソーンです。

母親の殺害を食い止めようとしたバリーの目論見は見事成功、と思われたのですが、過去でバリーが全速力でソーンと激突したことによる衝撃で時空に亀裂が生じ、世界はこれまでとは全く異なるフラッシュポイント世界に変貌してしまいます


その世界ではバリーに近しい者ほど大きな改変を受けており、例えばバリーの母親は殺されておらず、そのかわり父親が病死。クライム・アレイではバットマンことブルース・ウェインの両親がではなくブルース自身が殺され、かわりに彼の父トーマス・ウェインが殺しもいとわない私刑人「バットマン」として活動していました(ちなみに母マーサは…)


そんなフラッシュポイント世界ではアクアマン率いる海底王国アトランティスとワンダーウーマン率いるアマゾン族による戦争が勃発しており、世界には終末の時が迫っていました。

フラッシュは変貌した世界に戸惑いながらもバットマン達と共に戦争を食い止めるべく戦いを繰り広げます。
しかし戦争を止めることはできず、アクアマンの放ったミサイルによって遂に世界は終わりの時を迎えます
(この時はそう思われていました…)

崩壊しゆく世界にどうすることもできないフラッシュ達、そんなフラッシュに、戦いの中で負傷し死の間際にいるトーマス・ウェインはある手紙を託します。
それはフラッシュから聞いた世界、かつて彼がいたという希望に満ちた世界で幾度となく世界を救ってきたという愛する息子、ブルースに向けた手紙。フラッシュに全てを託し、トーマスは目を閉じます
(この時は死亡したように見えましたが…)


トーマス、そして戦いで犠牲となった全ての人々の想いを胸に、フラッシュは最後の走りを見せます。
そして彼の想いは奇跡を起こし、タイムスリップを可能にするランニングマシーンであるコズミックトレッドミル無しに時空を超えることに成功。時を遡り、リバースフラッシュを止めようと過去に戻ろうとする自分のもと辿り着きます。

ここで彼を止めれば母は死んだまま…それでもフラッシュは過去の自分を止め、フラッシュポイント世界の誕生は防がれたのでした。


しかし全てを終え、元の世界へ戻ろうとする彼に謎の女性が話しかけます。
彼女の名はパンドラ。彼女は来るべき脅威を防ぐため、フラッシュを利用して3つの世界(これまでのDCユニバース、現在共同発行人を務めているジム・リーが設立したワイルドストームユニバース、そしてDCの大人向けレーベルであるヴァーティゴの3つの世界のこと)を1つの統合しようとしていました。

そしてその結果彼女の目論見は成功し、DCユニバースは3つの世界のキャラクターが共生する世界となりました
(しかし、実はこの世界は彼女の望んだ世界ではありませんでした。後にその真実は驚くべき形で明かされることになります)


こうして、現在のDCユニバースであるNEW 52 !ユニバースが出来上がったのです。




2.  NEW 52! フラッシュ誌について




このフラッシュポイントによる大規模改変によってこれまでのDCコミックス75年の歴史は全てリセットされ(ただしバットマンとグリーンランタンに関しては一部の設定やエピソードを受け継いだ状態で)再スタートされることになりました。


そしてフラッシュもこの流れを汲み、今までの設定をリセット。こうしてNEW 52!フラッシュシリーズが始まることとなりました。

※現在のDCユニバースのキャラクター達は数人を除いてフラッシュポイント以前の世界を全く覚えておらず、事の発端であるバリーすらフラッシュポイントのことはまだしも、フラッシュポイント以前の世界を記憶していません。


そしてこのリニューアルを任されたクリエイターこそ、先述したフランシス・マナプルさんその人でした。
シリーズの再出発を任された彼は記念すべき第1号から25号に至るまで、ライター及びアーティストとして作品に携わりました(一部別のアーティストが担当している号あり)

実はマナプルさんがフラッシュ誌を手掛けるのはこれが初めてではありません。
フラッシュポイントによって世界観が一新される直前のシリーズにおいてもアーティストとして、DCコミックスの看板ライターであるジェフ・ジョーンズと共にフラッシュの物語に携わっていました。







ちなみに今回のフラッシュ誌を手掛けた後、マナプルさんはシリーズを離れ、バットマンが初登場した歴史あるタイトルであるディテクティブコミックスのライター&アーティストに就任。#30~#44までを担当しました。









ちょっと話が脱線しましたね。本題に戻りましょう。



今回ご紹介するフラッシュ:邪悪なる閃光』は、先述したように単行本第4巻、シリーズの中間地点である#20~#25までを収録した作品となります。

この#25号に至るまで、マナプルさんは独自のストーリーを展開してきました。そのストーリーが収められた3冊の単行本も、今作と同じく邦訳されています。

これらの作品はシリーズのリニューアルに相応しい新鮮かつ丁寧で初心者にも親しみやすいストーリー展開と、作者であるマナプルさんのスタイリッシュなアートが生み出す世界最速の男に相応しいスピード感あふれる読み心地が見所となっています。







これらの4冊の単行本は内容的には連続しており、一連のストーリーとなっているのですが、いずれの作品も冒頭で前巻までの詳細なあらすじが語られるため、これまでのストーリーを知らなくても十分に楽しめるようになっています。

ですが、今回は折角の機会ですのでこれまでのストーリーを振り返ってみることにしましょう。



第1巻 『フラッシュ:新たなる挑戦








記念すべき第1巻では、タイトルにもある通り、フラッシュが新たなる仲間と共に戦いに挑んでいくことになります。



ある日強盗事件を食い止めたフラッシュ、ところがその直後強盗の1人が現場で死亡。その正体はかつてのバリーの親友、マヌエルでした。彼の死を不審に思ったバリーは独自に調査を開始します。 

しかしそんな中、突如バリーの前に死んだはずのマヌエルが姿を現します。さらに彼を追う謎の集団も出現。しかも彼等の顔はいずれもマヌエルの顔。「モブ・ルール」を名乗る彼等はマヌエルを誘拐してしまいました。

その後の調査でスパイとして活動していたマヌエルは軍の実験によってどんな傷も回復できる驚異的な治癒能力を得ていたことが発覚。モブ・ルールはマヌエルが拷問された際に回復するたび切り落とされた無数の腕から生まれた言わばマヌエルのクローンでした。

彼等の目的は、自分達の不完全な遺伝子をオリジナルであるマヌエルを利用して修復し、突然死が発生してしまうのを防ぐことでした(強盗事件後に死んだマヌエルは突然死したクローンの1人)


バリーは彼等の目論見を食い止めるべくモブ・ルールに立ち向かい、見事彼等の野望を打ち砕きます。

その後、バリーはかつての敵であるキャプテン・コールドとの戦闘中、自身が生み出したワームホールに吸い込まれ、スピード・フォースの世界(フラッシュ達スピードスターがエネルギーを得ている異世界)に迷い込んでしまいます。

実はフラッシュが過度に自身のパワーを利用すると次元に亀裂が入ってしまうことが明らかになっており、今回の事件はバリーが自身のパワーを過度に利用してしまったことが原因でした。

バリーは何とか脱出に成功しますが、そこに待っていたのは…



今作で重要なのはバリーの恋人がパティ・スピボットに変更されていること。
旧設定では記者のアイリス・ウェストが最愛の人だったのですが、今作では旧設定ではバリーに片想いだったパティが彼女になり、物語に新鮮味を与えています。

また、もう1人重要なのが今作から初登場の「ダーウィン・イライアス博士」
天才科学者である彼は今作から第4巻までシリーズを通して物語の重要な役割を担うキャラクターで、スピードフォースの乱用が次元に亀裂を発生させることを発見したのも彼。
これを防ぐためにバリーのスーツに改良を加えてスピードフォースへのアクセス量を測定できるようにしたり、バリーの体に過度に溜まったスピードフォースのエネルギーを電力に変換できる装置を作るなど、第1巻では自身のスキルを活かした様々な発明でフラッシュをサポートする頼もしい味方として活躍しました。

今作のフラッシュはフラッシュポイントの世界より帰還したフラッシュその人なのですが、その時記憶を失ってしまったのか、これまでの記憶は保有していないようです。

しかしフラッシュポイント世界での記憶自体は現在も保有している様子で、彼がトーマスから託された手紙も無事ブルースのもとに届けられており、バットマンの秘密基地であるバット・ケイブに保存されていました
(しかし最近起きたある出来事によりその手紙は…)

ともあれこれまでの能力に特に変更点はなく、未だ世界最速の男であることは変わりありません。さらに今作では高速で行動できるだけでなく高速で思考することも可能になり、能力の応用の幅がますます広がっています。

これまで以上にパワーアップしたスピードフォースの特性を生かした、斬新なアクションにも注目です。


第2巻 『フラッシュ:ローグズの逆襲





前巻のラストシーンの直後から始まる第2巻では、お馴染みのヴィランチーム「ローグズ」が登場します。



スピードフォースの世界から脱出したバリー。しかし脱出した先は故郷セントラルシティではなく、高度な知能を持ったゴリラたちが住む街「ゴリラシティ」でした。
バリーのことを街に伝わる使者だと思ったゴリラの長老達は言い伝え通り彼を解放しようとしますが、一族の新たなる王キング・グロッドは言い伝え等は全て嘘だと断言し、バリーの脳を喰らいスピードフォースを奪うことを計画。窮地に陥ったバリーでしたが、グロッドを倒しゴリラシティからの脱出に成功します。

こうして無事にセントラルシティに帰って来たバリー。しかし街に帰って来た彼が見たものはフラッシュ不要論を唱えるイライアス博士の姿でした。

第1巻ではバリーをサポートしていたイライアス博士。しかし彼の真の目的はフラッシュの援助ではなくバリーのスピードフォースにありました。
前作で自身の発明した装置を通してバリーの体に溜まった過剰エネルギーを吸収し、電力に変換することに成功した彼はバリー不在の間に停電したセントラルシティを復旧すると同時に新型モノレールを開通。

街を一気に活性化させた彼はその功績を武器に、法を破りながら活動しているフラッシュに対する排斥運動を展開。
その結果見事市民の扇動に成功した彼は一躍フラッシュに代わる街のヒーローとして称えられていました。

仲間だと思っていたイライアス博士の裏切りにショックを隠せないバリー。そんな彼に追い打ちをかけるような事態が起こります。

とある事件の現場に居合わせていた恋人パティと遭遇したバリーは、彼女が前巻でのフラッシュとキャプテン・コールドとの戦闘中に最愛の人バリーが死亡したと思っており、フラッシュに対して強い憎悪の念を抱いていることを知ります。
パティのフラッシュに対する思いを知ったバリーは彼女のためにも今後彼女と関わるわけにはいかないと判断。

イライアスにもパティにも見放されたバリーは自身の生存を伝えることなく隣町キーストンシティのスラム街に移住。犯罪者たちが入り乱れる酒場でアルバイトをしながらヒーロー活動を再開し始めました。

そんな中かつてフラッシュと幾度となく戦いを繰り広げたヴィランチーム「ローグズ」が突如復活。かつてのリーダーキャプテン・コールドの妹であるリサ・スナートがリーダーを務める新ローグズと元リーダーであるコールドによる戦争に巻き込まれたバリーは何とか事態を食い止めるべく奔走しますが、そんな彼等の元に復讐に燃えるグロッド率いるゴリラ軍団が迫っていました…



前巻で登場したイライアス博士の裏切りというまさかの展開から始まった本作ですが最大の見所は何と言ってもローグズの面々。
旧設定ではハイテク武器を駆使して戦っていたメンバーですが、リニューアルに伴い設定が変更され、元々は武器を使っていたものの、武器と体が一体化したことによってメンバー全員に特殊能力が備わったという設定になり、より強力になりました。

ただしこの後キャプテン・コールドに関しては大型イベントフォーエバー・イービルにて特殊能力を失い、再びコールドガンを用いて戦う生身の人間に。
その他の一部のメンバーも最近では武器を使っている場合があるようです。




ですが、本作を読む上ではそういった細かいことは気にしなくてOK。
また、そもそもローグズに初めて触れる新規読者にも馴染みやすいように、ローグズの過去や設定が作中で詳細に語られるため、予備知識の心配もいりません。
新規読者の方にも、そうでない方にもお勧めできる作品です。

第3巻 『フラッシュ:グロッドの脅威




前巻から引き続きゴリラ軍団との戦いが描かれる第3巻では、第1巻から続いた一連のストーリーが一段落することになります。



前作のラストで街に襲来したゴリラ軍団は怒涛の勢いで街を制圧。予期せぬ事態に対処するべく、バリーはローグズと共闘しながらゴリラ軍団に立ち向かいます


その頃、復讐に燃えるキング・グロッドはイライアス博士の研究室でフラッシュの過剰スピードフォースの格納タンクを発見。
タンクからエネルギーを奪ったグロッドはフラッシュと同じくスピードフォースが使えるようになり、バリーと互角に戦える姿に変貌。スピードフォースを得たグロッドにバリーは苦戦を強いられます。

そんな中、バリーの恋人パティの元に1人の男が現れます。彼の名はターバイン。とある出来事をきっかけにスピードフォースの世界に閉じ込められてしまっていた彼は、第1巻でバリーがスピードフォースの世界に迷い込んだ際にバリーと出会い、彼と共にスピードフォースの世界から脱出を果たしていました。
彼にバリーが生きていることを知らされたパティは彼と共にバリーの元へ向かいます。
(ちなみに余談ですが、ターバインは先日本国で発売されたフラッシュ誌にて殺されました…)

彼と共にバリーの元にたどり着いたパティ。そこで目にしたのは今にもグロッドに殺されそうなフラッシュの姿でした。しかし間一髪のところでグロッドのスピードフォースエネルギーが切れ、グロッドは一時退却。バリーは一命を取り留めます。

そんな彼を目にしたパティの心には、かつてあったフラッシュへの憎しみは消え、ただ最愛の人を想う気持ちだけが強くありました。
バリーの予想とは裏腹に、パティは彼のもう1つの素顔を素直に受け入れてくれたのです。

こうして最愛の人との関係を取り戻したバリーは回復後、グロッドと再戦。
グロッドもまた既にエネルギーを回復していたものの、激闘の末グロッドを撃破。グロッドが倒されたことを知ったゴリラ達も退却し、再び街に平和が戻ったのでした。



これにてグロッド編は終了なのですが、実は本作にはこれ以外に第4巻の序章とも言うべきストーリーが掲載されています。


ざっくりとしたあらすじを紹介すると、ある日バリー以外にスピードフォースを使うことができる2人の男が現れます。
彼等はバリーが第1巻でワームホールによってスピードフォースの世界に飛ばされた際に共に吸い込まれていた人々であり、その名残か、フラッシュによって救出され元の世界に帰還した後もスピードフォースにアクセスできるようになっていました。

バリーと共に飛ばされていたのは先程の男2人だけでなく、その友人のマリッサ、そしてフラッシュポイント以前にバリーの最愛の人だったアイリス・ウェストを合わせた4人。この内スピードフォースが発現していたのは2人の男だけでした。
2人の男はそれぞれ「スプリント」「ターボチャージャー」と名乗り、ヒーロー活動を開始します。

そんな中、独立国家「アウトランダー」が殺人容疑でアイアンハイツ刑務所に収監されてたヴィラン「トリックスター」を救出するべく刑務所を占拠。
バリーは2人のニューヒーローと共にこの事件に巻き込まれます

その中でスピードフォースの影響が出ていないと思われていたマリッサにもスピードフォースが発言していたことが発覚。実は今回のトリックスターの殺人容疑は彼女の仕業であり、トリックスターは無実でした。

今回の騒動を通してトリックスターが無実であることが公になることを恐れたマリッサはバリーやトリックスター達を刑務所ごと吹き飛ばそうとしますが、計画は失敗。最終的に殺人犯としてアイアンハイツに収監されることとなりました。

こうして事件は無事解決。しかしバリーには気になることがありました。自分と共にスピードフォースの世界に飛ばされた4人、その内3人が能力を得ていた。
ということは最後の1人アイリスにも…


一方その頃、今回の事件でスピードフォースの危険性を知りヒーロー活動から手を引いたターボチャージャーが不自然な形で転落死する事件が発生。
そしてフラッシュに似た姿の謎の男が描かれたところで第3巻は幕を閉じます。




マナプルさんの担当期は第4巻までではあるのですが、第1巻からの流れから見ると、本作で物語は一区切り付いているような印象を受けます。


これまで張られてきた幾つかの伏線が回収され、パティとの関係も最良な結果となっているため、もしこの巻で終わっても違和感はないと言っていいでしょう。

しかし本作ではそこからさらなる謎を提示し、第4巻への足掛かりとしています。
そして第4巻ではここまでスタイリッシュなアートと流れるようなストーリーテリングでフラッシュをリニューアルさせてきたマナプルさんの担当期の中で、最も斬新なアレンジを施されたキャラクターとしてリバースフラッシュが登場することになるのです。


そんな一連のストーリー的にも重要な本作ですが、単体で見たとしても完成度は非常に高く、シリーズ通してマナプルさんのスタイリッシュなアートが特に冴えわたっていると言える作品となっています。グロッドとの決戦と合わせて注目すべきポイントの1つです。



さて、ここまでが第1巻~第3巻までの一連のストーリーになります。

全体的に見てみると、これまでのフラッシュの設定を踏襲しつつも既存のキャラクターに大胆なアレンジを加え、現代的にアップデートしていることが分かります。

ニューアル後からの新規読者にとってはフラッシュというキャラクターがどのような人物なのか、そしてその仲間やヴィランにはどのような人物がいるのかが、このシリーズだけで大まかに分かるようになっており、既存読者にとっては作品自体のストーリーに加えて、フラッシュポイント以降、世界はどのように変わったのか、そしてこれまでのキャラクター達がどんなアレンジをされて登場するのかが読み進めていく上での大きな醍醐味となるという、新旧読者どちらも楽しめるシリーズとなっています。
(これに関してはどのシリーズにも言えることではありますが)


これまでフラッシュを知らなかった人でも、これらの作品を読めばきっとフラッシュの魅力を発見できるような作品になっていると言えるでしょう。



それでは前置きがかなり長くなりましたが、ここから『フラッシュ:邪悪なる閃光』の紹介に移りたいと思います。


と思ったのですが、あまりに長くなり過ぎてしまったので今週はここまで。
当ブログ初の前後編に渡る記事としたいと思います。

次回は第4巻の内容を取り上げつつ、この後の展開について少し触れていきたいと思いますので、宜しければ是非そちらもご覧いただきたいと思います。

後編はこちら→『フラッシュ:邪悪なる閃光』後編 / 本編の紹介とその後の展開について



それでは後編でお会いしましょう

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