今世紀最悪の凸凹コンビ『デッドプール・ザ・ダック』

いよいよ6月も最終週に入り、本格的に夏が近づいてまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
とは言ったものの、最近は梅雨ということもあり、ジメジメとした雨の日が多くなっていますね。せっかくの休日も、朝から雨が降っているとなんだか気分まで落ち込んで、テンションが上がらない…なんてこともあるかもしれません。

そんなあなたにお勧めしたいのがこちらのタイトル。6月の公認ブロガー作品の1つである『デッドプール・ザ・ダック』です。



デッドプール・ザ・ダック (ShoPro Books)

これさえあれば憂鬱なレイニーデイズでもたちまちスーパーハイテンションになること間違いなし。早速ご紹介していきましょう!




当ブログでも度々登場している、ご存知「饒舌な傭兵」こと「デッドプール」
最近は主演映画の続編も公開され、いまや世界的な知名度と人気を我が物にした彼ですが、今度の彼はいつもとは一味違います。なんとひょんなことからアヒルと合体してしまったのです!
しかもそのアヒルはただのアヒルではありません。異次元からやって来た、見た目はアヒル、頭脳は人間。その名は「ハワード・ザ・ダック」!!

ハワード・ザ・ダックと言えば、“あらゆる次元の結節点”から人間の世界にやって来た喋るアヒル。その初登場は1973年に刊行されたホラー雑誌『フィアー』の12月号。現在の知名度とは裏腹に、非常に古参なキャラクターとなっています。
それだけにこれまで残してきた功績は非常に多く、作中で大統領選挙に立候補した際には実際に多くの票を獲得したり、ジョージ・ルーカス監督の手によって映画化されていたり(肝心の内容についてはあえて言及しません)とマーベル・コミックスの歴史にしっかりとその名を残すキャラクターの1人です。

近年では本作のようなコミックでの活躍も増え、さらに映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ではエンドロール後にカメオ出演を果たすなど、再び注目の的となりつつあるハワード。日本でも彼の活躍を描いた単独誌ハワード・ザ・ダック:アヒルの探偵物語が邦訳刊行されています。

そして本作ではそんな注目度の高まるハワード・ザ・ダックと現在飛ぶ鳥を落とす勢いのデッドプールがついに夢の競演を果たすことになります。

※解説部分は『ハワード・ザ・ダック:アヒルの探偵物語』内解説書より一部引用


さて、肝心の内容ですが、これはもうこの一言に尽きるでしょう…

内容がないよう!!!

はい、もうはっきり言い切ります。何の内容もありません!重厚なストーリーも、緻密に計算された展開も、目を見張るような世界観も、何もありません!あるのはバカさと下品さとしょうもなさだけ!本当になんの教訓も感動もない、正真正銘のおバカコメディです!
ですから間違ってもこの作品にシリアスさとかを求めては駄目です。絶対に駄目です。この本を読むときは、部屋を明るくして、頭を空っぽにして読んでください。何が起きても気分はへのへのカッパというぐらいにポジティブに!頭空っぽの方が夢は詰め込めるんです!


とまぁ、正直な感想を述べてみましたが、流石にこれだけでは本当にしょうもないのであらすじを軽くご紹介。

シールドからとある異星人の暴走を止めて欲しいと頼まれたデッドプールが現場に向かうと、そこには暴走するロケット・ラクーンと逃げ惑うハワード・ザ・ダックがおりました。なんとロケットは“宇宙狂犬病”に感染。どうしたものかというところでロケットがデッドプールの右手に装着された瞬間移動装置に噛みついた!するとその反動でどういうわけかデッドプールとハワードは融合してしまったのです!
果て先この先どうなることやら?“ダックプール”はロケットを元に戻すべく、狂犬病を引き起こしたナノマシンの開発元であるロクソン社の研究施設へと急ぐのでした…

偶然融合してしまった2人、体は1つになりましたが、人格に関しては分離したまま。片方が体の主導権を握っている間、もう1人はネガティブゾーンでポツンと寂しく見物するというシステムで活躍していきます。ちょっと違いますが、DCで言うところのファイヤーストームみたいな感じですね。

そんな2人に立ちはだかるのはマーベルユニバースきっての悪徳企業「ロクソン社」
しかし当然のことながら、この2人が主役の本作では真面目さなどかけらもありません。宇宙に巨大な研究衛星があるかと思えば、中にいるのは警備課のコンビである老人&怪力ファットウーマンただ2人。はたまた地球に目を向けてみれば、地下研究所だと思って厳重な警備を掻い潜った先にあったのはロクソン社員用の保育園という始末。度重なる超展開に加え、主役の2人もアホと来たのでもう収集が付きません。

果たして2人はロケットを救えるのか?そして…そもそも元に戻れるのか?クライマックスでは読者の創造を越えた「最悪な」結末が待ち受けています。もちろん、いい意味なわけがありません!
そのどうしようもない結末を是非皆さんの目で確かめてみて下さい。あまりのしょうもなさに思わず笑ってしまうことでしょう。

さらに本作ではハワードの宿敵、皆さんお馴染みのドクター・ポング(誰?)も登場。ベル頭にピチピチのスーツ、そしてなぜこんなところに力を入れてしまったのか、全身が出るコマでは男なら誰もが気にする“アレ”のポジションを詳細に描写しています。常に右向きなポングの息子が見たければ、今すぐこの本を買わざるを得ないでしょう。おそらく本作で最大のこだわりを持つこのキャラクターの活躍、そしてポジションにも注目です。
(ちなみに僕は本作でドクター・ポングが大好きになりました)


さて、ここまでお送りしてきたデッドプール・ザ・ダックいかがでしたでしょうか。え?もう終わりかって?
仕方無いでしょ!本当にこれぐらいしか紹介できないんだよ!というか全編ほぼネタなので紹介すると楽しみが減ってしまうんですよ!だからもうこれでレビューは終わり!

とにもかくにも、ここまで余計なことを考えなくていいコミックもなかなか無いでしょうから、ただただ純粋にバカみたいな話が読みたいという人にはまさに打ってつけの内容となっています。あいにくの天気が続く梅雨のこの季節、この先夏になったらなったで今度は夏バテで何にもする気がしなくなることがあるでしょう。そんな時に読むなら間違いなくこれです。何も考えず、ただただアホなこの作品を読んで、テンション高めに乗り切っていきましょう。

というわけで今回はデッドプール・ザ・ダックのご紹介でした。多分また明日更新があります。明日の作品はちゃんとした内容なので安心してね!
それではまた次回!




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